特集 How to Follow-up―ハイリスク児フォローアップの必修知識2023
思春期以降
思春期以降に発達障害が疑われたら
西ケ野 圭祐
1
,
田中 恭子
1
SAIGANO Keisuke
1
,
TANAKA Kyoko
1
1国立成育医療研究センターこころの診療部
pp.557-560
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000865
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はじめに
学童・思春期のハイリスク児においては,自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder:ASD),注意欠如・多動症(attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD),学習障害の有病率が,正期産児と比べて高率であることが知られている。また,知的発達に関しても在胎期間が短いほど全般的IQ(知能指数)は低くなる傾向があり,33週未満では,−1.5ポイント/週とされる。また,認知機能に関しても,超早産・超低出生体重児の思春期のvisual memory,visual leaningの機能が低いことが知られている。このようなハイリスク児の発達特性や認知機能のアンバランスさに関して適切な周囲の理解や環境調整が行われない場合,思春期に二次障害として情緒や行動の問題が生じる可能性もある1)。ハイリスク児をフォローする際には乳幼児期から青年期に至るまで,発達障害に関する視点が必要である。
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