特集 発達障害への多様な支援~あれが知りたい・これも知りたい~
さまざまな支援の場
医療でできること
前田 洋佐
1,2
MAEDA Yosuke
1,2
1NPO法人クラマウリ
2京都市児童福祉センター診療所
pp.1121-1124
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000273
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発達障害支援における医療・医師の役割
発達障害支援は,人口規模や自治体の経済状況,住民の社会経済層,構築されてきた支援体制などにより,地域差が大きい。医療機関が担う役割の例として,① 診断および診断書(特別児童扶養手当診断書,精神障害者保健福祉手帳など)・意見書(障害区分認定意見書,教育機関への意見書,就労に関する意見書など)・指示書(訪問看護指示書など)による各方面への支援の指示や要請,② リハビリテーション(作業療法・理学療法・言語療法)の専門家や心理士・ソーシャルワーカーによるアセスメントや支援方針の検討,③ 薬物療法や心理療法,医学的リハビリテーションなど専門的治療介入の実施,が挙げられる。大都市では療育センターなど拠点施設が設置され,専門医療機関の機能をもつが,中核市やより小規模の自治体では専門医療機関が存在しない地域も多く,旧肢体不自由児施設や大学病院などが可能な範囲で上記の役割を担うようである。さらに小さい自治体,医療資源が不足している地域では,母子保健・保育・教育など医療以外の資源でカバーしているようである1)。
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