特集 産婦人科診療に必要な遺伝カウンセリングの基本知識と実際
各論
3.出生前診断:事前の検査に関するカウンセリング
長谷川 冬雪
1,2
,
赤石 理奈
1
,
井野元 茜
1
,
左合 治彦
1
F. Hasegawa
1,2
,
R. Akaishi
1
,
A. Inomoto
1
,
H. Sago
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター
2国立成育医療研究センター研究所バイオバンク
pp.167-171
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002051
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わが国では高年妊娠の増加に伴い,出生前検査に対する関心が高まっている。出生前検査は必須の検査ではなく,妊婦とパートナーが希望した場合にのみ実施される。したがって,出生前検査における遺伝カウンセリングでは,出生前検査の位置づけ,先天性疾患の頻度,対象疾患の自然史,検査の精度,検査の結果が陽性だったときのその後の選択肢などの正しい情報提供を行う。さらに,胎児が染色体疾患を有していることが判明する場合もあるため,妊婦とパートナーがどのような考えで出生前検査を検討しているか,もし罹患児だと診断された場合はどのように考えて対応するかなど,対話を通して意思決定の援助を行う。
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