特集 プライマリケアにおける単純X線検査―ここまで読影することができる
腹部:各論
石灰化の部位と形状から推察される疾患
野崎 太希
1
NOZAKI Taiki
1
1聖路加国際病院放射線科
pp.483-487
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000099
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はじめに
腹部単純X線写真が診断の要になる疾患は多くはなく,小児領域でそもそも石灰化がみられる頻度も高くない。本稿では,腹痛や腹部膨満・腹部腫瘤感といった一般的によくある主訴で腹部単純X線写真を撮影されたときに遭遇しうる石灰化とその部位,性状から診断しうる疾患について腹部単純X線写真とその後に精査された腹部超音波検査(US)やCT,MRIなどと対比する形で概説する。なお,石灰化の性状で診断できる疾患は奇形腫でみられるような歯牙,骨化病変くらいしかなく,多くの石灰化が非特異的である。そのため石灰化の位置と臨床症状から診断につなげるのが実情であり,それぞれの症例を見ながら疾患を考えていただく形式とした。
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