診療
遺伝学的検査の保険収載に伴うBRCA遺伝子検査の動向とその課題
北野 佐季
1
,
來間 愛里
1
,
橋本 香映
1
,
木村 正
1
S. Kitano
1
,
A. Kuruma
1
,
K. Hashimoto
1
,
T. Kimura
1
1大阪大学産科学婦人科学教室
pp.745-749
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002622
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HBOC診断目的のBRCA1/2遺伝子検査がすべての卵巣癌患者を対象に保険収載された。保険収載後の当院でのBRCA1/2遺伝子検査受検率とRRSOの適応および件数を検討した。当該期間に通院中の卵巣癌症例のうちBRCA1/2遺伝子検査を受けたのは25.5%であった。組織型別では漿液性癌の48.3%が受検している一方で,他の組織型では8~11%であった。HBOC関連癌の既往歴家族歴がある患者は,ない患者に比べて受検率が高く(既往歴あり50%,既往歴なし23.6%:家族歴あり34.2%,家族歴なし22.5%),組織型,既往歴・家族歴により主治医の検査推奨に差があることが推測された。またRRSOは全例乳癌既往症例で,私費でのRRSOは増加しておらず,手術費用の影響が懸念される。
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