特集 産後過多出血への対応の留意点
産後過多出血に併発する産科DICとその治療
産後過多出血でのフィブリノゲン製剤の使用のエビデンス
牧野 真太郎
1
MAKINO Shintaro
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科
pp.619-622
発行日 2026年6月10日
Published Date 2026/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002729
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はじめに
フィブリノゲンは凝固過程の最終ステップにおいて,トロンビンの作用によりフィブリンへと変換され,血栓の形成(止血栓)を担うきわめて重要な基質である。健常人の血漿中濃度は200~400 mg/dLの範囲にあるが,産科危機的出血においては,出血による喪失,血管内凝固による消費,および希釈といった多角的な要因により,最も早期に低下する凝固因子として知られている。出血停止を維持するための閾値は100~150 mg/dLとされており,この値を下回ると止血困難に陥るリスクが急激に上昇する。

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