徹底分析シリーズ 出血治療戦術—適応外の製剤も駆使して止血を図る
フィブリノゲン製剤の適応外投与—低フィブリノゲン血症の病態に遅延なくフィブリノゲン投与を!
岡田 尚子
1
Hisako OKADA
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院 麻酔科・ペインクリニック
pp.1152-1157
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201821
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フィブリンは止血血栓の主成分であり,その基質でもあるフィブリノゲンは止血に必須の凝固因子である。出血患者では凝固因子の中でもフィブリノゲンが最も早く止血限界閾値まで低下しやすく,フィブリノゲン濃度の低下が出血量や輸血量と関連していることが指摘されている。最近では出血治療におけるフィブリノゲン補充の重要性が認知され,治療製剤として濃縮フィブリノゲン製剤が注目されている。
本稿では,大量出血患者におけるフィブリノゲン補充の効果・必要性について産科領域を中心に解説する。乾燥人フィブリノゲン(以下,フィブリノゲン製剤)の適応拡大要望書についても言及する。
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