特集 いま知っておきたい 先天性代謝異常症などの新生児マススクリーニング
総論
スクリーニング陽性時の説明と対応―精密医療機関の実践から考える周産期医療との連携―
渡邊 順子
1
WATANABE Yoriko
1
1久留米大学医学部質量分析医学応用研究施設,小児科
pp.218-222
発行日 2026年3月10日
Published Date 2026/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002614
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はじめに
新生児マススクリーニング(newborn screening:NBS)は,重篤な先天性疾患を発症前または早期に発見し,適切な治療につなげることを目的として発展してきた。近年,対象疾患の拡大により,周産期医療の現場において「スクリーニング陽性」という結果に直面する機会は増加している。一方で,陽性結果は必ずしも疾患の確定診断を意味するものではなく,その説明や対応に戸惑いが生じる場面は少なくない。NBSは,不変性(生涯変化しない情報である),共有性(家系で共有される情報であり,血縁者にも影響する),予測性(症状がなくても将来の発症を予測できる可能性),不確実性(遺伝情報は曖昧で不確実である―病的意義の判断が変わることがあり,症状の程度までは予測できないなど)という特徴を有する遺伝情報を扱う検査であり,発症前診断でもある。

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