連載 衛生行政キーワード・45
救急搬送と医療機関との連携について
溝口 達弘
1
1消防庁救急企画室
pp.591-593
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101369
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消防庁救急・救助の現況によると,救急出場件数は,平成18年は約524万件で前年より微減したものの,平成8年からの10年間で55.3%増加している.総務省国勢調査によると,人口は平成7~17年の10年間で1.8%の増加であり,救急出場件数の増加は,人口増加を大幅に上回る増加となっている.
一方,需要に対する供給に目を向けると,平成19年4月現在の救急隊数は4,846隊であり,平成9年からの10年間で約8.1%の増加にとどまっている.また,厚生労働省医療施設調査によると,病床数については,一概に総病床数で見ることが必ずしも適当ではないが,平成8年からの10年間で約6.5%減少している.
こうした受給ギャップの背景を受け,救急医療の一端を担う救急搬送において,現場到着所要時間の遅延傾向と受入医療機関選定困難事例の発生が大きな課題となっている.本稿においては,消防庁が公表した「救急搬送における医療機関の受入状況等実態調査」の概要を中心に,救急搬送と医療機関との連携について解説する.
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