特集 快適で安全な周産期の麻酔のために
各論:産科手術における麻酔
傍頸管ブロック,陰部神経ブロック,術後疼痛管理
正岡 駿
1
,
竹田 純
1
,
竹田 省
1,2
MASAOKA Shun
1
,
TAKEDA Jun
1
,
TAKEDA Satoru
1,2
1順天堂大学産婦人科学講座
2愛育研究所
pp.1380-1384
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002366
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
医療従事者は,疼痛管理の選択肢について理解を深め,手術や処置・検査・診察などあらゆる診療の場面で患者が疼痛管理について情報を得て,自主的に選択できるようにすることが求められている。婦人科外来診療でも疼痛除去に配慮することが重要視され,The American College of Obstetricians and Gynecologists(ACOG)から疼痛管理に対するクリニカルコンセンサスが出されている1)。産科領域においても硬膜外麻酔のみならず局所麻酔や傍頸管ブロック,陰部神経ブロックの重要性が改めて見直されている。その背景には痛みや分娩の恐怖体験は心的外傷後ストレス障害や分娩恐怖症を引き起こすことが知られ,日常診療では痛みを極力抑え,心身ともに安心して受けられる患者中心の医療が重要視されているからである2)。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.

