特集 快適で安全な周産期の麻酔のために
各論:産科手術における麻酔
緊急帝王切開時の麻酔と管理
野口 翔平
1
NOGUCHI Shohei
1
1埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科
pp.1376-1379
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002365
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はじめに
緊急帝王切開は「開腹手術」であり同時に「分娩」である。合併症の少ない手術を目指すのは当然であり,新生児のアウトカムも重要な要素であるし,術後・産後の回復や出産体験そのものをよくしていくことにも注力すべきである。一方で,適応・緊急度の幅が大きく(表1),時に分単位の意思決定と手技が要求される。母体と新生児の安全性のバランスをとり,迅速に最適な選択をミスなく行うことは決して容易ではない。緊急帝王切開術の麻酔では,迅速性・確実性・安全性・チーム連携・母子の出産体験価値のすべてを包括する管理が求められる。

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