Modern Therapy 合併症の母体と新生児リスク
糖尿病の母体と新生児
久慈 直志
1
Naoshi Kuji
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科教室
pp.181-186
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206401
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数年前某大学産婦人科の研究報告には妊婦の糖尿病(DM)の判定値は非妊時と同じと記載され,同じ頃内科の権威もWhiteのclass Aは何の処置もいらないと述べている。新しいWHO分類(表1)には妊婦の項がありNIHの基準値(表2)も妊婦は異った値をとっているのに日本糖尿病学会の規定には全くそれがない。O'Sullivan,White,Pedersenらが以前から多数例で明白な結果を示していたのにこの状態であった事は,日本ではDMの専門家を含め妊婦DMについての認識が低かった事が明らかで,同じ様な人が画期的といえぬ昨年のWHO,NIHの基準を使えと今度はいうだろうと思うので本稿はその用語を使うことにする,だから,数年以前の妊婦DM管理法はその権威の如何に拘らず疑ってよいし,別の理由から現在の指針も数年後に修正を要すると思われる。理由は後述する。
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