今月の臨床 産婦人科診療における心のケア
周産期
3.早産, 多胎妊娠
加部 一彦
1
1愛育病院新生児科
pp.165-167
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101076
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はじめに
新生児死亡率を始めとした周産期医療に関連する各種データを見るまでもなく,わが国の周産期医療は今,一つの到達点に達したと言えるだろう.しかし,人工肺サーファクタント補充療法などにより「後遺症なき生存」が単なる「目標」から「当然の前提」となった今,臨床現場ではこれまでの医学的アプローチのみでは対処できない新たな問題と取り組む必要が生じている.医療事故・ミスに対する世間の関心が高まり,医療に対する不信感がかつてなかったほどに高じている現在,医療現場に働くわれわれには今まで以上に「安全で安心できる医療」の提供を心がける責務があり,その意味でも「心の問題」の理解は避けて通れぬ課題と言えるだろう.本稿では新生児医療,中でも特に早産,多胎妊娠における「心のケア」の現状と課題について概説する.
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