特集 子宮収縮抑制薬の長期投与はやめられるのか?―切迫早産管理のエビデンスと実践―
9.多胎における切迫早産の管理方法とエビデンス
村越 毅
1
T. Murakoshi
1
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター産科
pp.729-733
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002203
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
多胎妊娠の早産は多く,双胎では約半数が早産となる。双胎妊娠における子宮容量の限界,つまり子宮の過剰な伸展が早産の主要因であると考えられる。現時点で多胎妊娠に対する早産予防,および切迫早産に対する有効なエビデンスのある治療方法はない。子宮収縮抑制薬の投与は母体合併症の観点からも48時間以内などの短期間にとどめるべきであり,子宮収縮抑制薬投与開始の適応を厳密に捉え,規則的な子宮収縮を伴わない頸管長の短縮や,頸管所見の変化を伴わない子宮収縮などに対しての安易な投与は行わないことも大切である。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.