特集 多胎妊娠2025
〈コラム〉NIPTを用いた双胎の卵性診断
小澤 克典
1
OZAWA Katsusuke
1
1国立成育医療研究センター胎児診療科
pp.262-263
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002055
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はじめに
双胎妊娠においては,超音波検査による膜性(胎盤の数)の診断が重視されている。一絨毛膜性双胎では双子が胎盤を共有することから,双胎間輸血症候群(TTTS)やselective fetal growth restriction(selective FGR),双胎貧血多血症(TAPS)などを生じる可能性があり,周産期管理に注意が必要なためである。しかし,双胎妊娠には遺伝子からみた卵性による分類もある。一卵性の双子は同じ遺伝子であり,二卵性の双子は異なる遺伝子を有する。全双胎妊娠のうち,二卵性双胎と一卵性双胎の頻度はおおよそ6:4とされている。卵性と膜性の関連については,二卵性の双子は基本的に二絨毛膜性双胎になるが,一卵性の双子はさまざまである。一卵性の双子は,基本的には早い時期に分かれるほど二絨毛膜になる。一卵性双胎の約25%は二絨毛膜二羊膜(DD)双胎,約75%は一絨毛膜二羊膜(MD)双胎,約1%は一絨毛膜一羊膜(MM)双胎になる(図)。DD双胎からみると,約85%が二卵性,約15%が一卵性である。一方,基本的にMD双胎はすべて一卵性である。
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