特集 多胎妊娠2025
一絨毛膜二羊膜性(MD)双胎の多様な合併症 無心体(twin reversed arterial perfusion sequence)
杉林 里佳
1
,
小澤 克典
1
,
和田 誠司
1
SUGIBAYASHI Rika
1
,
OZAWA Katsusuke
1
,
WADA Seiji
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター胎児診療科
pp.305-308
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002065
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はじめに
Twin reversed arterial perfusion sequence(TRAP sequence)とは一絨毛膜性多胎のうち一児が機能する完全な心構造を伴わない無心体であり,他児との動脈動脈吻合を通じて臍帯動脈より逆行性に血流を得ている状態である。血液を送り出す児(ポンプ児)の心臓に負荷がかかり,血流が遮断されない限り胎児死亡のリスクが存在する。無心体のサイズが大きい場合には胎児死亡のリスクが高く,無心体への血流を遮断するための胎児治療が行われる。

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