特集 多胎妊娠2025
多胎妊娠における先天異常と遺伝学的検査
川口 晴菜
1
KAWAGUCHI Haruna
1
1大阪母子医療センター産科
pp.264-268
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002056
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はじめに
多胎妊娠は単胎妊娠と比較して先天異常が多く,特に心疾患や神経管閉鎖障害の頻度が高いことが報告されている。心疾患には,心室中隔欠損症などのいわゆる先天性心疾患に加え,双胎間輸血症候群(TTTS)の受血児に二次性に発症する右室流出路障害が含まれる。また,多胎妊娠では単胎よりも染色体異常の頻度が高いことが報告されており,双胎においても非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)が推奨されるようになっている。両児とも染色体異常ないしは先天疾患である場合は,養育の問題が大きくのしかかる。また,一方の児が染色体異常や先天疾患である場合には,他児を考慮しての対応が必要となる。

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