今月の臨床 多胎—いま何が問題か
新生児
23.双胎の卵性による神経学的予後の相違
三科 潤
1
1東京都立築地産院小児科
pp.1508-1510
発行日 1994年12月10日
Published Date 1994/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901996
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多胎は単胎に比して早産,IUGR,先天奇形発症の頻度が高く,周産期死亡率も高い1,2).また,RDSや壊死性腸炎(NEC),未熟網膜症(ROP)の発症頻度も単胎に比して高い1,2).さらに,一卵性双胎には双胎間輸血症候群(TTTS)や子宮内一児死亡の場合など児の予後に大きな影響のある問題がある.
また,双胎は単胎に比し神経学的後遺症発症の頻度も高いことが報告されており3),われわれも同様の結果を報告してきた4,5).これらの問題は多胎に合併しやすい早産やIUGRに起因するばかりではなく,卵性や胎盤形成からも影響を受けていると言われる6).新生児医療の進歩に伴い,多胎早産例の生存率が高くなり,さらに,不妊治療により多胎妊娠,多胎早産例が増加してきている今日,多胎例の後障害発症について,その卵性との関連を検討することは有用であると考える.
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