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SGAの定義
Small for gestational age(SGA)児は出生時の体重や身長が同じ在胎期間で出生した児の標準的な体格よりも小さい新生児である。欧米諸国の論文では出生体重および/または身長が-2 SD未満を診断カットオフ値とするものが多く,2023年に発表されたInternational Consensus Guidelineにおいても出生体重および/または身長が-2 SD未満をSGA児と定義している1)。一方,世界保健機関(World Health Organization:WHO)による国際疾病分類第10回改訂(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems 10th Revision:ICD-10)では体重と身長がともに基準値の10パーセンタイル未満の新生児をSGA〔もしくはsmall for dates(SFD)〕児,体重は10パーセンタイル未満だが身長は10パーセンタイルを超える新生児をlight for gestational age(もしくはlight for dates)児と区別されている2)。わが国では出生時の身長が測定されていない児の存在を考慮し,1994年の日本小児科学会および日本産科婦人科学会の合同委員の勧告に従い,出生体重が10パーセンタイル未満である児をlight for gestational age児,出生体重と身長がともに10パーセンタイル未満である児をSGA児とする定義が一般的に用いられている3)。またSGA性低身長症に対する成長ホルモン治療を行う場合,出生体重と身長がともに10パーセンタイル未満で,かつ出生の体重または身長のいずれかが-2 SD未満であることが治療条件の一つとなっている4)。

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