特集 FGR・SGA 児のトピックス
総論
疫学 SGA児の出生数・率のトレンドと見込み
吉井 啓介
1
,
森崎 菜穂
2
YOSHII Keisuke
1
,
MORISAKI Naho
2
1国立成育医療研究センター小児内科系専門診療部内分泌・代謝科
2国立成育医療研究センター社会医学研究部
pp.144-147
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002014
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はじめに
低出生体重児かどうか判断するために必要なデータは出生体重のみであるが,small for gestational age(SGA)児かどうか判断するためには出生体重に加えて,出生身長,在胎週数,在胎週数別の基準値が必要となる。わが国では,低出生体重児の出生数・出生割合は基幹統計調査の一つである人口動態調査を用いて報告されている1)。しかし,SGA児の出生割合に関する国の統計資料(national administrative data)は2024年11月の時点で存在しない。2023年の報告によると,世界保健機関(WHO)加盟国のうち81%(158/194)が低出生体重児の出生割合に関するデータを有しているが,SGA児の出生割合をnational administrative dataとして報告している国はわずか8か国にとどまる2)。
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