ケース・レポート
在胎27週で出生した児の看護を通して
稻尾 公子
1
,
井加田 幸子
1
,
伊藤 直子
1
1東海大学病院・母性研究グループ
pp.335-338
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205048
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1.はじめに
近年の未熟児保育の進歩により,従来,在胎27週の極小未熟児の生育率は15%といわれていたが,小宮氏の報告では,1,000g以下の極小未熟児の死亡率は54.5%である。また名市大の報告でも751g〜1,500g以下の死亡率は,'73年には24.6%と箸しく改善されつつある(表1)。
最近当院において,高年の勤労婦人で初産婦,妊娠貧血,前期破水などmaternal high risk factorのもとに,在胎27週5日,出生時体量740gの極小未熟児が重篤な合併症もみられず,生後131日目,体重3,085gにて無事退院に至ったという貴重な一事例を経験したのでここに報告する。
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