特集 FGR・SGA 児のトピックス
総論
定義 FGRの新しい考え方
中田 雅彦
1
,
長﨑 澄人
1
NAKATA Masahiko
1
,
NAGASAKI Sumito
1
1東邦大学医学部産科婦人科学講座,東邦大学医療センター大森病院産婦人科
pp.137-139
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002012
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従来のFGRの定義と診断基準
「産科婦人科用語集・用語解説集」によると1),胎児発育不全(fetal growth restriction:FGR)の診断は「日本人胎児体重の妊娠週数ごとの基準値(日本超音波医学会の公示・日本産科婦人科学会周産期員会報告)」を用いて判定する,と記載されている。ここで参照する基準値は,正期産・正常で出生した健常児のみを対象に作成されたもので,基準はすべて標準偏差(SD)を用いて表されている。ここでの診断は−1.5 SD未満をFGRと判定するとしている。なお,データが正規分布していると仮定した場合,SD値とパーセンタイル(%ile)値とは,-1.28 SDが10%ile,-1.5 SDは6.7%ile,-1.88 SDが3.0%ile,-2.0 SDが2.3%ileに相当する。

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