特集 症例から学ぶ! 小児臨床超音波
NICUにおける超音波検査
3.新生児 肺超音波検査
星野 雄介
1
HOSHINO Yusuke
1
1茨城県立こども病院新生児科
キーワード:
Aライン
,
Bライン
,
consolidation
,
lung sliding
,
white lung
Keyword:
Aライン
,
Bライン
,
consolidation
,
lung sliding
,
white lung
pp.378-382
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002674
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肺超音波検査の概要と新生児への応用
超音波ビームは生体内を進む際に,インピーダンスの差が大きい境界面で反射する性質をもつ。血液・脂肪・実質臓器の音響インピーダンスは1.3~1.7×105 Ns/m3,骨は7.4×105 Ns/m3であるのに対して,空気は0.0004×105 Ns/m3と約10,000倍もの差がある。そのため超音波ビームは空気との境界面で反射することから,空気を多く含む肺を超音波検査で観察することは困難であると考えられていた。しかし2011年にNew England Journal of Medicine誌に掲載されたpoint of care ultrasoundの総説1)で肺超音波検査が紹介されたことを契機に,その有用性が注目されるようになった。その後,とくに成人集中治療領域で活用されるようになったという比較的新しい技術である。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.