特集 周産期(産科)の手術の工夫―筆者はこうしている
前置胎盤の手術
胎盤剝離部の止血法
川村 裕士
1
,
吉田 好雄
1
KAWAMURA Hiroshi
1
,
YOSHIDA Yoshio
1
1福井大学医学部附属病院産科婦人科
pp.1121-1125
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001684
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はじめに
前置胎盤では,癒着胎盤のリスク因子を確認後,超音波断層法(経腹+経腟)およびMRI検査所見を参考に癒着胎盤の術前評価を行う1)。癒着胎盤を想定しない前置胎盤の帝王切開で問題となるのが,子宮から胎盤を剝離した際に子宮の胎盤剝離面から湧き上がるような持続出血を認めることである。この持続出血(強出血を認めることも珍しくない)を制御できないと,「胎盤は剝がれたのに子宮を温存できない」という事態が生じうる。この胎盤剝離面(部分的に胎盤遺残を認めることもある)からの持続出血に対して,筆者は結紮止血法と子宮内バルーンタンポナーデを状況に応じて使い分けて対応している。
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