特集 知って得する胎児・新生児の心疾患2024
基礎編
胎児循環(正常と異常)
小澤 克典
1
OZAWA Katsusuke
1
1国立成育医療研究センター胎児診療科
pp.924-929
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001635
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胎児循環と心機能
胎児は体循環と胎盤循環が組み合わさっており,心拍出量のうち約25~30%が胎盤循環に入る(図1)。胎盤循環の入り口が臍帯動脈で,出口は臍帯静脈である。臍帯静脈の血流は体内に入ると門脈と合流し,静脈管を通って下大静脈を経由し右房に入る。この静脈管からきた血流は卵円孔を通って効率良く左房に運ばれ,左室から全身に駆出される。一方,体循環から心臓に戻ってきた血液は右房から右室に入り,肺動脈に駆出される。胎児は肺でガス交換をしていないため,右室から駆出された血液のうち約70%は動脈管を通って下行大動脈へ流れ,体循環に入る。右室から駆出された血液のうち約30%は肺循環に入り,左房に環流する。
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