特集 「次」につなぐ「周産期医療」―次回妊娠への対策と次世代への影響を考える
移行期医療との連携 小児外科疾患術後妊娠
川口 晴菜
1
KAWAGUCHI Haruna
1
1大阪母子医療センター産科
pp.442-446
発行日 2024年4月10日
Published Date 2024/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001509
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
小児期医療の進歩に伴い,小児期発症疾患をもちながら成人期を迎え,妊娠出産する例が増加している。小児外科疾患では,食道閉鎖,小腸閉鎖,横隔膜ヘルニア等小児期に治療が完了する疾患が多い。それらの疾患でも,妊娠中に腸閉塞を発症することや,産科的適応での帝王切開の際に腹腔内癒着が問題となることがある。一方,直腸肛門奇形や胆道閉鎖症に代表される成人期にも継続的な治療を要する疾患では,妊娠出産においてさまざまな問題が想定される。原疾患,手術術式,特に再建術後の解剖学的構造,合併する疾患よって個人差が大きいことから,一人ひとりに合わせた対応が必要になることが多い。本稿では,成人期にも継続的な加療を要する直腸肛門奇形,性分化疾患,胆道閉鎖症および二分脊椎について妊娠前および妊娠分娩管理について概説する。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.