特集 周産期における研修医・新人助産師/看護師教育の必修知識 新生児編
新生児に特有な検査 新生児聴覚スクリーニング
熊坂 栄
1
KUMASAKA Sakae
1
1東京かつしか赤十字母子医療センター小児科
pp.324-326
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001473
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新生児聴覚スクリーニングの目的
先天性両側難聴は,全出生児の約1,000人に1~2人の頻度で発生することが知られており,数ある先天性疾患のなかでは頻度の高い疾患である。原因として最も高頻度に認めるのが,遺伝的素因による遺伝性難聴であり,全体の60~70%を占めると推測されている1)。難聴の診断が遅れると,言語発達遅滞や構音障害につながり,さらには情動,認知発達にも影響する。近年,補聴器や人工内耳技術の進歩により,難聴であっても早期に介入することで日常生活や社会生活,学習活動の質の改善が期待できるようになった。このため,すべての新生児に対し生後早期に聴覚スクリーニングを行い,難聴のハイリスク児を発見することが重要である。
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