特集 周産期における研修医・新人助産師/看護師教育の必修知識 新生児編
新生児に特有な検査 心臓超音波検査
伊藤 宏司
1
,
山本 裕
1
ITO Hiroshi
1
,
YAMAMOTO Yutaka
1
1岐阜県総合医療センター新生児内科
pp.319-323
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001472
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はじめに
心臓の超音波検査を行ううえで心臓の立体構造をイメージして行うことは肝要であり,実際に研修医に指導をする際に「心臓の形をイメージすると」と枕詞をつけて指導することは多い。しかし,研修医にとって診るべきポイントの多い心臓超音波検査に苦手意識をもつ人も多いと思う。実際に私は後期研修3年目のはじめに小児循環器内科で研修を開始した際に苦手意識をもち,検査中に心臓の立体構造を考える余裕はなかった。しかし,指導医から典型的な所見の取り方,例えば長軸像から児の右尾側を覗くようにチルト(図1)1)すると三尖弁を,反対方向にチルトすると肺動脈弁を描出できる(図2)ことを教わり,実際にきれいなビューを出せたときには小さな感動を覚えた。ただし典型的な2心室の左胸心であることが前提条件であり,構造異常のある心臓では結局は構造をイメージしながら検査する必要があるが,苦手意識を払拭するために前述した手法も一つの手だと考えている。実際にどの場所から何を評価するか,「基本の断面」の項目と図に示したので,参考にして苦手意識を払拭してほしい。
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