巻頭座談会 Round-Table Discussion
新生児聴覚スクリーニング
茨 聡
1
,
関沢 明彦
2
,
中塚 幹也
3
,
藤野 俊夫
4
1鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児内科部長
2昭和大学医学部産婦人科学講座教授
3岡山大学大学院保健学研究科教授/岡山大学ジェンダークリニック/岡山大学病院産婦人科/GID(性同一性障害)学会理事長/文部科学省「学校における性同一性障害に係る参考資料作成協力委員会(2014)」委員
4山口県産婦人科医会会長/藤野産婦人科医院院長
pp.8-16
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.09.02_0008-0016
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聴覚障害は早期に療育を開始することでコミュニケーションの形成や言語発達,quality of life(QOL)において大きな効果が得られることが知られている。近年,新生児期でも正確かつ簡便に聴覚スクリーニングが実施できる検査機器が開発され,一般の医療機関でも新生児聴覚スクリーニングが可能となった。難聴の頻度は現在マススクリーニングが行われている他の先天性疾患よりも高いため,早期発見を目的に全新生児を対象として行う聴覚スクリーニングの普及がきわめて重要となる。しかし先天性難聴児の約半数が危険因子をもたず,出生時に何ら異常を示さないため多くの新生児が検査を受ける機会がないことが問題となっている。そこで本座談会では,わが国の新生児聴覚スクリーニングの現状について,全国に先立って新生児聴覚スクリーニングを推進してこられた岡山県,山口県の事例をご紹介いただいた。
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