増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
栄養・消化器
早産児が胃食道逆流のリスクが高いのはどのような機序によるのか
五百蔵 智明
1
IOROI Tomoaki
1
1姫路赤十字病院総合周産期母子医療センター小児科
キーワード:
胃食道逆流
,
胃食道逆流症
,
早産児
Keyword:
胃食道逆流
,
胃食道逆流症
,
早産児
pp.536-539
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001362
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GER/GERDの基本病因,発症機序,解剖学的背景
胃食道逆流(gastroesophageal reflux:GER)は胃内容物の食道内への逆流と定義される生理現象の一つである。新生児のGERは溢乳や少量の嘔吐といった症状で比較的よく観察されるが,その多くは無症候性であり,1歳6か月頃までに自然消失することが多い。しかし,なかにはさまざまな消化器症状や呼吸器症状などの合併症を呈するまでに進展することがある1~4)。このように,合併症を伴うまでになったGERを胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)と定義し,現象としての生理的なGERと区別して用いることが一般的である。
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