増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
感染
プロバイオティクスが早産児の感染リスクを低下させるのはどのような機序によるのか
伊藤 夏希
1
,
工藤 孝広
1
ITO Natsuki
1
,
KUDO Takahiro
1
1順天堂大学医学部附属順天堂病院小児科
キーワード:
プロバイオティクス
,
腸内細菌叢
,
早産児
,
敗血症
,
壊死性腸炎
Keyword:
プロバイオティクス
,
腸内細菌叢
,
早産児
,
敗血症
,
壊死性腸炎
pp.430-432
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001335
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プロバイオティクス
プロバイオティクスとは,2002年の国際連合食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)の合同会議で,「適正な量を摂取することで,宿主に有益な作用を及ぼす微生物」と定義されている。プロバイオティクスの使用菌種としては,乳酸菌群のLactobacillusやBifidobacteriumが早産児に投与されることが多く,正常な腸内細菌叢の重要な構成菌でもある。プロバイオティクスを投与することで,病原性菌の定着や増殖を抑制し,正常な腸内細菌叢を誘導する。早産児は免疫系が未熟であり,感染症にかかりやすく,敗血症や壊死性腸炎(necrotizing enterocolitis:NEC)などの重篤な合併症を発生するリスクが高い。
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