増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
代謝・内分泌
早産児の一過性高TSH血症はどのような機序で起こるのか
田島 敏広
1
TAJIMA Toshihiro
1
1自治医科大学とちぎこども医療センター小児科
キーワード:
先天性甲状腺機能低下症
,
早産児
,
TSH
,
視床下部-下垂体-甲状腺軸(hypothalamic-pituitary-thyroid axis)
,
nonthyroid illness syndrome(NTIS)
Keyword:
先天性甲状腺機能低下症
,
早産児
,
TSH
,
視床下部-下垂体-甲状腺軸(hypothalamic-pituitary-thyroid axis)
,
nonthyroid illness syndrome(NTIS)
pp.566-569
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001371
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視床下部-下垂体-甲状腺(hypothalamic-pituitary-thyroid:HPT)軸の成熟
胎児の甲状腺は妊娠12週頃より甲状腺ホルモンの産生を開始し,出生までに徐々に増加してくる。しかし,HPT軸の完全な成熟,すなわち甲状腺ホルモンに対する甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotropin releasing hormone:TRH),甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone:TSH)のフィードバック機構は,この時期は正期産児でもまだ未成熟であり,出生後早期に成熟が完成する。
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