増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
中枢神経系
早産児の血液脳関門はいつから正期産レベルに成熟するのか
芦名 満理子
1
,
藤岡 一路
1
ASHINA Mariko
1
,
FUJIOKA Ichiro
1
1神戸大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター小児科
キーワード:
血液脳関門
,
neurovascular unit
,
早産児
Keyword:
血液脳関門
,
neurovascular unit
,
早産児
pp.321-323
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001305
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血液脳関門の解剖
血液脳関門とは,脳内の微小血管において血液と脳実質間での物質の移動(透過性)を制御する機構および構造で,毛細血管内皮細胞同士のタイトジャンクション,周皮細胞,星状膠細胞の足突起などで構成されている(図)。周皮細胞はさまざまなシグナルを介して,周皮細胞・内皮細胞間および内皮細胞同士の接着を増強する。また,脳血管に特徴的な細胞外基質の産生により,血管構造の安定化に寄与することも知られている。星状膠細胞はタイトジャンクション構成分子の発現調節に関わるということが報告されている1)。
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