増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
新生児・乳児の栄養
5.早産児の栄養
1)早産児の栄養代謝の特徴
長谷部 義幸
1
Hasebe Yoshiyuki
1
1昭和大学医学部小児科学講座
キーワード:
早産児
,
early aggressive nutrition
,
ドナーミルク
,
強化母乳栄養
,
体組成
Keyword:
早産児
,
early aggressive nutrition
,
ドナーミルク
,
強化母乳栄養
,
体組成
pp.620-623
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000654
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はじめに
胎生後半から新生児期における中枢神経系の発達は著しく,この時期の栄養状態は中枢神経系の発達に影響を及ぼすことが報告されている。早産児は胎内での発育過程で出生するため,母体から供給されていたmacronutrientが途絶えると胎内での栄養の備蓄が十分でないため出生後早期から低栄養に陥るリスクが高く,また消化管機能の未熟性やさまざまな合併症による栄養管理の困難さも低栄養を増長する。また近年,早産児の急激な体重増加は後の心血管系疾患のリスクと関連があることが報告されており,この時期の栄養管理は成長・発達,将来の疾病リスクに重要な意味をもつ。本稿では,早産児のNICU入院中の栄養が予後に与える影響と,特に1,500 g未満の極低出生体重児の栄養管理について述べる。
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