増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
胎児の脳障害
胎内感染が脳に障害を起こすメカニズムはどこまでわかっているか
早川 智
1
,
早川 直
2
,
石井 和嘉子
3
,
高野 智圭
1,3
HAYAKAWA Satoshi
1
,
HAYAKAWA Tadashi
2
,
ISHII WakaKo
3
,
TAKANO Chika
1,3
1日本大学医学部病態病理学系微生物学分野
2東京大学医学部附属病院アレルギー・リウマチ内科
3日本大学医学部小児科学系小児科学分野
キーワード:
母体免疫活性化(maternall immune activation:MIA)
,
高サイトカイン血症
,
developmental origins of health and diseases(DOHaD)
Keyword:
母体免疫活性化(maternall immune activation:MIA)
,
高サイトカイン血症
,
developmental origins of health and diseases(DOHaD)
pp.160-163
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001263
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胎児の中枢神経発達に及ぼす影響
俗に「風邪は万病のもと」という。この諺には,① 重篤な疾患でも初発症状は感冒と区別がつかないことがある,② 感冒のような軽い感染症でも,重篤な合併症の誘因となりうる,という2つの意味がある。近年,感冒をはじめとする軽度から中等度の炎症がより重篤な疾患の要因となることがわかってきた。現在,世界中で問題となっているCOVID-19にしても回復後の患者で糖尿病や虚血性心疾患,中枢神経障害などのリスクが高まることが判明している。妊娠中の女性が感染症に罹患した場合,胎児の中枢神経発達に及ぼす影響について概説したい1)。
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