今月の臨床 産科と凝固異常
産科診療と凝固異常
6.胎内発育障害
対馬 ルリ子
1
1都立墨東病院産婦人科
pp.306-309
発行日 1998年3月10日
Published Date 1998/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903203
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
子宮内胎児発育遅延(IUGR)の病因や病態が血液凝固異常と密接にかかわりあっていることは今や共通の認識となってきているが,その発生の機序に関しては不明な点も多く,また分娩前にIUGRの原因を診断することの難しさも相まって,予防や治療にはいまだほど遠いのが現状である.しかし,近年,抗リン脂質抗体症候群(APS)によるIUGRの診断や治療にはある程度の理解が得られてきたことから,血液凝固異常や免疫異常に関連した疾患群の胎児発育異常については予知や治療の可能性が期待されてきた.
本稿では現在までにわかっていることを整理して,実際のIUGRの臨床管理に役だてることを目的としたい.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.