増刊号 周産期診療のための病態生理
[産科編]
妊娠合併症
妊娠関連の深部静脈血栓/肺血栓塞栓症の病態はどこまでわかっているか
杉村 基
1
SUGIMURA Motoi
1
1浜松医科大学産婦人科家庭医療学講座
キーワード:
妊娠関連深部静脈血栓/肺血栓塞栓症
,
Virchowの三徴
,
抗凝固療法
,
組織因子
,
炎症性サイトカイン
Keyword:
妊娠関連深部静脈血栓/肺血栓塞栓症
,
Virchowの三徴
,
抗凝固療法
,
組織因子
,
炎症性サイトカイン
pp.47-50
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001236
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基本病因,発症機序
深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)は深筋膜より深部を走行する静脈である深部静脈に血栓が生じ,静脈還流に障害を与える病態をいう。また,肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)は肺動脈が血栓塞栓子により閉塞される疾患であり,一般に遠隔の血栓塞栓子が肺動脈に流入,閉塞する状態を示す。両者は合併することが多く,合わせて深部静脈血栓/肺血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)と表記される。すべての診療科において遭遇しうる疾患であるが,個別の臨床科の特性により診療の過程が異なる点がある。妊娠産褥を発症病態の背景とし,同時期に発症したものを妊娠関連VTEと呼ぶ。
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