特集 胎児・新生児の消化管機能と消化管疾患
各論
胃食道逆流 (コラム)ARミルク
宮沢 篤生
1
MIYAZAWA Tokuo
1
1昭和大学医学部小児科学講座
pp.1605-1606
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001156
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増粘ミルクは一般的な調整粉乳に米でんぷんやコーンスターチ,ローカストビーンガム(カロブビーンガムともよばれる)などの増粘物質を添加することで粘調度を高くした調整粉乳である。2008年のHorvathらによる14文献877名の胃食道逆流(GER)児を解析対象としたシステマティックレビューでは,増粘ミルクの使用は1日あたりの溢乳や嘔吐のエピソードをわずかながらも減少し,体重増加を改善させることが示されている1)。また2017年のコクランレビューにおいても生後6か月以内のGER児において,増粘ミルクは増粘剤を添加していないミルクを使用している児と比較して,1日の溢乳回数が約2回減少し,観察期間終了時に無症状となる児の割合が2.5倍増加することが示されている2)。
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