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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)は,2006年にモントリオール基準1)として世界的コンセンサスの再構築が行われ,“胃内容物の食道内への逆流によって起こる煩わしい症状あるいは合併症を起こした状態”と定義された.これを受け日本でも2009年に日本消化器病学会による「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン」2)が発行された.このガイドラインは,胃食道逆流症が日常臨床において一般的な疾患であることから,消化器専門医のみならず一般医家,プライマリケア医も対象に作成されている.また胃食道逆流症は肥満,高脂肪食など生活習慣との関連が指摘され,欧米と日本の食生活の違いが病態に関与すると考えられることより,日本人を対象としたエビデンスも重要視されている.ガイドラインは治療フローチャート(図1)と,疫学,病態,診断,内科的治療に加え外科的治療,上部消化管術後食道炎,食道外症状の章から構成され,各ステートメントには推奨グレードと,海外と日本のエビデンスレベルがそれぞれ独立して併記されている.
一方諸外国でもいくつかのガイドラインが公表,改訂されており,米国をみても米国消化器病学会(American Gastroenterology Association:AGA),米国消化器病医会(American Collage of Gastroenterology:ACG),米国消化器内視鏡学会(The American Society of Gastrointestinal Endoscopy)の消化器系主要3学会に加え,米国内科医会(American Collage of Physician:ACP)の4学会がそれぞれガイドラインを発行している.ここでは日本のガイドラインと,2013年に改訂され,米国の4ガイドラインのなかで最も新しいACGのガイドライン3)の概要を表1に示す.
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