特集 全身性強皮症―皮膚だけではなく全身性の自己免疫疾患
[Chapter 2] 臓器別ピットフォール
胃食道逆流症
河合 隆
1
1東京医科大学 消化器内視鏡学
キーワード:
全身性強皮症(SSc)
,
消化管細菌叢
,
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
,
Helicobacter pylori除菌後胃がん
Keyword:
全身性強皮症(SSc)
,
消化管細菌叢
,
プロトンポンプ阻害薬(PPI)
,
Helicobacter pylori除菌後胃がん
pp.63-68
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_63
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★全身性強皮症(SSc)は,皮膚および各臓器の線維化と血管内皮細胞による血管循環障害を特徴とする疾患であり,消化器症状としては食道病変の合併率が50~90%と高率である.
★★消化管細菌叢の変容(dysbiosis)がSSc発症のトリガーあるいは病態の慢性化に寄与している可能性が注目されている.
★★★SScの逆流性食道炎の治療は生活指導と薬物療法が中心である.
★プロトンポンプ阻害薬(PPI)が第一選択であるが,近年PPI長期投与によるHelicobacter pylori除菌後胃がんのリスク増加が問題となっており,PPI投与による消化管細菌叢のdybiosisの関連が考えられている.
★★★米国消化器病学会では,PPI使用に関し,必要最小限の用量・投与期間が推奨されている.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容
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