特集 透析の開始・継続・見合わせ
【特集コラム】DNARについて
花房 規男
1
1東京女子医科大学血液浄化療法科
キーワード:
意思決定
,
終末期医療
,
心肺蘇生
Keyword:
意思決定
,
終末期医療
,
心肺蘇生
pp.385-386
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001684
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DNAR(do not attempt resuscitation)は,患者本人または患者の利益にかかわる代理者の意思決定を受けて,蘇生に成功することがそう多くないなかで,蘇生のための処置(心肺蘇生法)を試みないことを意味する語として使用される.わが国では,1995年に,日本救急医学会救命救急法検討委員会から「DNR(do not resuscitation)とは,癌の末期などで,本人または家族の希望で心肺蘇生法(CPR)をおこなわないこと」との定義が示された.一方,AHA(American Heart Association)ガイドライン2000では,DNRという言葉が,蘇生する可能性が高い場合にも,蘇生治療を施行しないという誤った印象をもたれる可能性があるとの考えから,“attempt”を加え,蘇生の可能性が低い場合に,CPRを試みないこととして“DNAR”という単語を用いるようにと記載している.
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