特集 新型コロナウイルス感染症と周産期医療
各論
産科医療への影響 大阪での感染妊婦の分娩取り扱いについての取り組み
吉松 淳
1
,
光田 信明
2
YOSHIMATSU Jun
1
,
MITSUDA Nobuaki
2
1国立循環器病研究センター産婦人科部
2大阪母子医療センター
pp.1476-1480
発行日 2023年10月10日
Published Date 2023/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001125
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はじめに
大阪府は人口が8,774,739人(女性4,579,949人,2023年7月1日現在)と東京都,神奈川県に次いで日本で3番目に多く,総面積は約1,905.34km2で香川県に次いで2番目に狭い。交通インフラは大都市なりに発達しており,分娩取り扱い施設約130施設から最寄りの総合周産期母子医療センター6施設,地域周産期母子医療センター17施設へは30分以内に到着できる。年間分娩数は約60,000件で平時には産婦人科診療相互援助システム(obstetrical and gynecological mutual co-operative system:OGCS)が産科救急・母体搬送をマネージメントしている。また,最重症妊産婦受け入れ施設が9施設(現在10施設)決められており,救命センターと協力して最重症妊婦の受け入れを行っている。2020年初頭から始まったCOVID-19のパンデミックに対しては大阪産婦人科医会とその委員会の一つであるOGCS大阪府と協力してマネージメントを行なった。大阪での対応には2つの特徴があった。1つは早い時期から経腟分娩が行われていた点である。もう1つは第7波の半ばから無症状,軽症の妊婦への対応を多くの有床診療所で行なったことである。
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