調査 卒業研究
妊婦の労働が分娩周期に及ぼす影響はいかなるものであるか
竹林 美恵子
1
,
神田 あや子
1
1名古屋保健衛生大学衛生学部衛生看護学科・現国立京都病院
pp.291-303
発行日 1973年4月10日
Published Date 1973/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205275
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はじめに
近年わが国において,勤労婦人の数は上昇の一途をたどっている。勤労婦人のうちには,労働基準法のわくのなかで,精神的,肉体的に快適に働いているものもあるが,多くは勤労による疲労の蓄積を余儀なくされている。もちろん,このさい各個人がその労働に適するか否かによって,疲労の現われ方に差が生ずる。また,婦人は職業労働に加えて,家事労働に従事するため,自由時間,睡眠時間が短縮され,疲労が回復しにくい。そういう条件のもとで,妊娠,分娩が行なわれるため,非妊時よりもよりいっそう大きな負担が加わることになる。
このような立場に立って,私たちは,妊娠中の母体の健康に障害があれば,妊婦自身の生命をおびやかされるだけでなく,胎児の健康や出産時に対し,なんらかの影響があらわれると考えた。
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