特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 新生児編
各論
ICその他 退院時の説明義務違反
荒堀 仁美
1
ARAHORI Hitomi
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児科学
pp.1117-1120
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001019
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はじめに
新生児は非典型的な初発症状が多く,病状の進行が急激であることも少なくないため,家族への説明は想定しうる状況を考慮しながらていねいに行う必要がある。特に出生後しばらく医療機関で過ごした後,初めて自宅へ帰る際は,家族が何を観察し,どう対応したらよいかも含めて説明すべきであるが,時に時間や人員の不足から十分な説明ができず,後にトラブルの原因となる場合もある。本稿では,医師の説明義務の基本,実際の判例を紹介し,信頼関係を構築し医療事故を防止するため,退院時にどのように説明すればよいのかについて述べる。
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