特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 産科編
各論
帝王切開に切り替えるタイミング 3)分娩停止の判断
大石 由利子
1
,
今田 冴紀
1
,
石川 雄大
1
,
石田 久美子
1
,
野澤 明美
1
,
酒井 美穂
2
OISHI Yuriko
1
,
IMADA Saki
1
,
ISHIKAWA Yuta
1
,
ISHIDA Kumiko
1
,
NOZAWA Akemi
1
,
SAKAI Miho
2
1名寄市立総合病院産婦人科
2旭川医科大学周産母子センター
pp.931-934
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000972
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分娩停止の定義
令和3(2021)年度周産期委員会報告によると,全分娩に対する産科合併症としての分娩停止の診断は約2.9%と報告されている。一方で死産,早期新生児死亡の原因として分娩停止が関与するものはここ数年の同報告ではゼロから2件程度であり1)分娩停止が直接児の死亡の原因となることは多くはない。分娩停止の診断は産科臨床の場では頻繁に行われているが,複合的な判断が求められ診断に迷うことも多い。母児の予後不良時には訴訟リスクが高まることを考えると,臨床医が適切に診断し介入するための客観的根拠を増やし,判断力向上につなげたい。
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