特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 産科編
各論
帝王切開に切り替えるタイミング 2)胎児機能不全―どのレベルでどう判断するか,施設の状況を十分加味して判断することの重要性
長谷川 潤一
1
,
石渡 勇
2
HASEGAWA Junichi
1
,
ISHIWATA Isamu
2
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
2石渡産婦人科病院
pp.927-930
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000971
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はじめに
帝王切開は,手術という侵襲的な処置であることから,母児の合併症が少なからず存在する。それらの合併症については,産婦人科医として当然知っていることであり,帝王切開の説明と承諾の文書にも記載されていることである。そのため,分娩中に緊急帝王切開を決定するにあたっては厳格な適応と要約を遵守することが求められている。分娩中の胎児の健常性(well being)の評価は,胎児心拍数陣痛図(CTG)によって行われ,予測される胎児の状態の悪化に対する救命のための手術のメリットが,手術の合併症によるデメリットを上回るときに帝王切開を行ってよいというのが「帝王切開の適応」であると考える。
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