特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 産科編
各論
吸引+子宮底圧迫法―帝王切開に切り替えるタイミングが遅すぎる?
秋葉 直也
1
AKIBA Naoya
1
1東京大学医学部附属病院女性診療科・産科
pp.943-946
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000975
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はじめに
吸引分娩も鉗子分娩も必要に応じて使いこなし,あらゆる分娩で的確に急速遂娩の方法を選択できるとよいという理想はある。だが,吸引分娩を主軸に急速遂娩を行っている施設が増えており,鉗子分娩を習熟していない術者が増えていることも事実である。高年出産や和痛分娩が増加している近年において,以前よりも急速遂娩による医療事故・医療紛争には注意が必要である。産科医の情熱ですべては丸くおさまるという世界ではなくなってしまった。本稿では,鉗子分娩についてはあえて述べず,あくまでも吸引分娩とクリステレル子宮底圧出法で主に急速遂娩を行っている医師を対象に医療事故・医療紛争を回避するために必要な知識や帝王切開に切り替えるタイミングについて概説する。
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