特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 産科編
各論
流産手術
長谷川 潤一
1
HASEGAWA Junichi
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
pp.869-872
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000958
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はじめに
子宮内容除去術(流産手術)の合併症として頻度の高いものは,子宮内容遺残,子宮損傷・穿孔,出血,感染などである。流産手術は,産婦人科医として習得する最初の手術である一方,非直視下の手術であることから術者の手の感覚などの経験を要する高度な手術であるともいえる。わが国では,その合併症の頻度が決して高いということはないが,子宮穿孔などの重篤な合併症をひき起こした場合は,母体の生命や妊孕性にも関わることとなり,係争になることも少なくない。本稿では,流産手術における合併症予防,医事紛争を防ぐためのポイントを述べる。
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