特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 産科編
各論
風疹・梅毒・トキソプラズマ検査結果の正しい見方
中西 沙由理
1
NAKANISHI Sayuri
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター
pp.873-876
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000959
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風疹 ―Persistent IgM症例に注意―
わが国では,2020年までの風疹排除を目標に国を挙げて活動していたが,未だに困難な状況が続いている。妊娠初期の風疹罹患は先天性風疹症候群(congenital rubella syndrome:CRS)の原因になり,母体に症状のない不顕性感染でも頻度は低いと考えられるがCRSが発症する。国立感染症研究所は,2019~2021年では計6例のCRSの報告をしており,CRSに対してはそれ自体の治療法はなく,予防法は風疹に対する十分高い抗体価を保有することである。
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