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流産統計
木村 正文
1
1國立公衆衞生院衞生統計部
pp.28-31
発行日 1952年9月15日
Published Date 1952/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201101
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1.流産資料は流死胎埋葬等に必要な法律上の措置から得られる統計資料を基として,行政上に必要であろうと思われる數字として公表される場合と,生物學又は社會學的に流産なる事象にひそんでいる原則を見出すために特別な調査を行い,その結果として得られる場合とある。これらの材料は互に關連せるものではあるが,行政的なものは自由意志による家族制限即ち母親の堕胎問題から色々檢討され發展して來たのに對し,學問的なものは主として自然流産の原因及程度,その治療方法などに主眼がむけられている。勿論社會的因子の發見も共に研究されている調査は多い。
2.流産の定義。一般に定義を必要とする程になつていない。たゞ死産の定義が法律上又は行政上に定められているので,それから推定するにすぎない。大部分の國は妊娠28週又は7カ月未滿の胎兒死亡出産となる。フランス,イタリー,スイス,オランダ,フィンランド,ベルギー等では26週又は6ヵ月未滿の胎兒死亡出産,アメリカでは20週未滿となる。ドイツでは1936年以後全胎兒出産を届出しなくてはいけなくなつた爲流早産を定義している。流産は35cm頭長以下の死亡せる胎兒の妊娠32週未滿の出産と定義されている。又ニユーヨーク市其の他では胎兒殆亡として妊娠生成物のあらゆる時期における母體からの離去を届出なければならないことになつている。
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